脂っこい食事が気になる方へ! 発酵度が高い黒茶
一般に「お茶」と呼ばれる茶葉飲料の中から、希少性の高い黒茶をご紹介しましょう。
ご存じのように、お茶には緑茶や紅茶、ウーロン茶など、さまざまな種類がありますが、これらはもともと同じ樹木(ツバキ科のチャノキ)の葉を加工して作られる飲み物です。
同じ茶葉から多様なお茶ができるのは、お茶の成分が変化する「発酵」の作用によるもの。お茶文化を生んだ中国では、発酵度が低い順に、緑茶、黄茶、白茶、青茶、紅茶、黒茶と6段階にお茶が分類されています。例えば、おなじみのウーロン茶は青茶、プーアル茶は黒茶の仲間です。
お茶の発酵とは、茶葉自体に含まれている酵素の働きで緑茶のタンニンが化学変化を起こし、テアフラビン、テアルビジンなどの紅茶成分に変わっていくプロセスを指します。ただし黒茶だけは、さらに麹菌などを加えて微生物発酵させるので、特に「後発酵茶」と呼ばれています。
肉食と相性よし
黒茶の仲間には、特殊な製法が中国で無形文化遺産に指定されている希少な品種もあります。その希少な「黒茶」は、チベット高原やモンゴル平原の遊牧民族が伝統的に愛飲してきた飲み物で、現地の食文化の中で「三茶一飯」と言われるほど大切にされてきました。
日々家畜を追って暮らす遊牧の民は、朝と昼の食事を黒茶(+簡単な携帯食)で済ませ、夜、家族そろって夕食を囲んだ後、また黒茶を飲むという生活を営んできました。
高脂肪・高タンパクの肉食が多い彼らが、チャノキの育たない土地で、絶えず「茶葉交易」を続けて黒茶を求めてきたのも、それだけ健康に欠かせない飲み物だったからでしょう。
チベットではヤクの乳から作ったバターと塩を黒茶に入れた「バター茶」を客人に何杯もふるまうそうです。
ダイエッターに人気
この希少な黒茶も、風味はプーアル茶に近く、飲み慣れると深い味わいがクセになるかもしれません。
また、油っこい料理との相性が良く、中華料理など油を多く使う料理を食べた時に飲むとスッキリすることから、「食事が楽しい」「コッテリが大好き」「ポッコリが気になる」ダイエッターに根強い人気があります。
ヘルシーや偏食、生活習慣が気になる現代人の食生活にも適していると思われる黒茶。皆さんもお試しになってみてはいかがでしょう。